江波のおさんぎつね(広島市中区)

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昔、江波が島であった頃の話じゃそうな、この島によう人を化かす
老狐が住んでおった。土地の者は、その老狐を於(お)三(さん)狐(きつね)とよんでおった。ある晩、中村一之進と言う能役者が、宮島で能囃子をおえての帰り、冬の寒風は容赦なく顔に吹き付けるため、能面を顔にあて歩いて居ると於(お)三(さん)狐(きつね)が出てきて、筋書きは色々であるが、於(お)三(さん)狐(きつね)と能役者の化け比べの話で、広島に語りつがれている民話である。
市内電車の江波行き終点の緑地に、今もおさんぎつねは立っている。